ミーンミーン……


煩いせみの声。


肌をジリジリと焼き付ける太陽。


そう、季節は夏真っ盛り♪


誰もが楽しみに待っていた夏休みが始まりしばらく経った八月のある日。


青春学園中等部・男子テニス部一同は地獄の合宿に旅立とうとしてい た…









『合宿へ行こう!!!』NO.1







が・・・・・・







「遅いっ!リョーマの奴め何してんだい!?」


青学テニス部の顧問竜崎スミレが時計を見ながら怒りの声を発する。


そう。ある一人のコぼーずによって出発できずにいたのだった。


集合時間は8時。


ただ今の時刻は8時40分…。


…コレで越前の家に電話して来い…ι」


さすがにこのままではいつ出発できるか不安になった手塚は、にテレカを渡した。


「はぁ…ι私がしてくるんですね…ι…行って来ます」


半ば面倒くさいと思いつつも、は電話ボックスに走っていった。


一通り電話を終えると、呆れた様な顔で手塚に報告する。


「…なんか、出際に母が倒れて、病院連れて行ったらしいんですけど、

その病院は込んでて、何件か病院回ったらこんな時間になったんだと…

寝起きの声で話してくれましたι」


うそ臭いにも程があるものだ…。


「まぁ、起きたのならそのうち来るだろう…」


スミレもここまで来ると怒りを通り越して呆れになってしまった。



電話から数分後…


「遅くなりましたー。」


なんの悪びれもなくノコノコと現れたリョーマ。


「遅いぞ!おチビ!!」


「だって昨日マネージャーに聞いたら集合時間は9時だって・・・」


英二の言葉にも慌てることなくサラリと返す。


慌てていたのは、だ。


「な!?ちょっと…いつ私がそんな事言ったのよ!?」


「言ったよ。ホラあのとき…。ねぇ桃先輩?」


「あぁ。確かに言ってたな〜」


リョーマと桃城は企むような笑みを交わした。


2人一致となると、さすがにも戸惑った。


「え…ウソ…そんな事言ったかなぁ…」


必死に昨日のことを思い出す。


「―――って!桃はちゃんと来てるんだからそんな事言ってないわよ!」


「いや、俺は1時間前行動を心がけてるんで〜♪」


「さすが桃先輩っスね。」


このコンビはあくまでを原因にしたいらしい。


「と言うことは全ての原因はってコトになるのかな?」


更に笑顔で追い討ちをかけたのはこの人。


不二だ…。


「そ、そんな不二先輩まで!だいたい桃が1時間前行動なんてしてる訳無いじゃない ですか!

 確かに桃とリョーマに時間伝えたの私ですけど…、ちゃんと8時までって伝えまし た〜!」


は必死の上に半泣きになっている。


「分かってるよ。がそんなコトする子じゃないって…ねぇ、桃、越前?」


相変わらず優しそうな笑顔には変わりないが、出ているオーラは恐ろしい。


思わず引きつった2人。


「もーやっぱり悪いのはリョーマじゃないのよっ!」


は頬を膨らませる。


「ハイハイ…ι」


「桃城、越前!後でグラウンド10周!」


おなじみの手塚の台詞で片付いた。


「俺もかよ〜ι」


「頑張りましょう先輩♪」


一緒に参加したが故とばっちりを喰らって青くなる桃城とは裏腹に、


仲間が出来て嬉しそうなリョーマがいた。


「その話はそこら辺にして、出発しようιもう予定より1時間近く遅れちゃって る…」


ただでさえ、リョーマの遅刻で遅れていたのに、


をからかうのを楽しんでいたら、すっかり時間は過ぎていたのだ。


大石のこの一言で、やっとバスに乗り込むことになった。


      ・

      ・

      ・

      ・


「席は何処でもいいんですか?」


バスに乗るなりは一番前に座っている手塚に聞いた。


「あぁ。」


そう、そっけなく答えた手塚は既にちゃっかり自分の隣に、


大きな荷物をドンと置いている。


ちゃ〜ん♪俺の隣なんてど〜ぉ??」


先に座っていた桃城がなんだか嫌ぁな笑顔で誘ってきた。


「あんたが『ちゃん』とか言うと何かありそうで怖いわね…。


 でも、桃の隣ってリョーマじゃないの?」


「はぁ?別に決まってねぇよ?まぁ、とりあえずテキトーに座っとけよ ♪


 あ♪それとも、は愛しの不二先輩の隣か〜?」


「な///別に///んな…//」


不二の事が好きであるかは関係なく、そう言う振られ方をすると思わず赤くなってし まう


「座るわよ!桃の隣に座らせて頂きます///」


少しヤケになりつつ桃城の隣に腰をおろした。


なんとも単純な性格だ。


「あ!桃ずるいよ!ちんの隣〜!!」


リョーマと一緒に達前に座っていた菊丸が言った。


「え?でもすっげキツイっすよ?」


「何ですって…?」


桃城の失礼発言に足をぐいっとつねってやった。


「だ〜!!ウソだよウソ!!冗談です!」


そんなことをしていると、の後ろにすっと影が現れる…


「確か…データによるとマネージャーの体重は…」


「わ――!だー!あ―――!!言わなくていいです!言わなくて!!」


突然の乾の登場に驚くよりも自分の体重を明かされることに焦った。


「…つーか何で知ってるんですか?……乾先輩って絶対敵に回したくない人です よ…ι」


の言葉に、キラリと眼鏡を光らせた乾。


その場にいた全員が『この人は怖い』と思った…。


「(なんか乾先輩って色んなこと知っていそうよね…


 プライベートなこと全部知ってそうで怖いなぁ〜)」


乾をジッと見つめつつそんなことを思っていたら…


「プライベートなことまではさすがに全部は解からないけどね。」


「全部は!?って事は半分くら……って!今心の声読んでませんか!?」


もうこの人は人間外の生き物である。


「乾〜覗きとかしてんじゃないの〜♪」


「なんか…その眼鏡で透視とか出来そうっスよね。」


菊丸とリョーマの言葉に再び眼鏡を光らせる乾。


「・・・・・・あ、あの〜もしかして、私のスリーサイズとかも知ってるんですか ?」


何となく興味のあったは恐る恐る聞いてみた。


「フッ…」


そう微笑む乾の姿は明らかに知っているようだ。


「うっそ!?マジ!?知りてぇ!」


「スリー…サイズ…///」


やけに楽しそうな桃城。


その向こうで、聞こえてしまった海堂は一人顔を赤らめていた。


「い、乾先輩…知ってても口にしなくていいですから!」


「まぁ、皆が知ってもいい事なんて無いと思うから」


「見れば大体想像つくし…」


焦っているに対し、サラリと失礼なことを言う乾とリョーマに、


思わず顔を引きつらせた。


「乾先輩…リョーマ……。想像って…一体どう想像できるってのよっ煤v


「末広がり…」


失礼に失礼を重ね、吹き出した桃城と菊丸。


さすがにムカッと来たのか、は怒りで立ちあがった。


「あのねぇ!一応コレでもはちじゅうな…ゴホゴホ…ι」


怒り任せに思わず口にしそうになるが、グッと押さえとりあえずリョーマの頭を殴っ た。


「痛っ…ι」


「へぇ…のウエストは87か(^^)」


「ふ、不二先輩!?…突然現れてとんでもない事言わないでくださいよ…ι」


全くだ。いつの間にやらちゃっかりの隣に立っている。


「ごめんごめん。皆、あんまりをからかい過ぎると僕が許さないよ?」


『お前が言うなよ』と言ってやりたいものだが、


相変わらず笑顔で恐ろしいのでその言葉は皆、口に出来なかった。


しかし、単純なは一人不二の言葉にホロリときている。


またしても、いじめをしているうちにバスは既に出発し、順調に動いていたのだった。










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