ドリーム小説
気がつけばバスは発車…
バスに揺られて…
『合宿へ行こう!!!』NO.2
「あ、そういえば…目的地までどのくらいかかるんだろ?」
「1時間位だって。さっき手塚に聞いてきたよ」
の言葉に少し前に座っていた河村が返事をした。
「ふ〜ん…じゃあさ、それまで皆でゲームしない♪?」
「お♪いいっスね♪」
「皆で?何やります??♪」
菊丸の提案にノリノリの桃城。
も乗り気のようで顔からワクワクオーラ(?)放出である。
「何でもいいんだけど…ちんは何かやりたい事ある?」
「バスの中で…ん〜罰ゲームありでババ抜きとか??」
「いいじゃない?」
どうやらリョーマもやるらしいのか賛成してきた。
「楽しそうだねD僕も入れてよ(^^」
「はい♪不二先輩♪」
ちゃっかりの隣に座っている不二も参戦するらしい。
「よーし!!ババ抜きやるけど、やりたい人は集まれ〜い!!D」
「おーう」
菊丸の掛け声で、何人かが声をあげて参加してきた。
参加の申し出をしたのは…
桃城、リョーマ、不二、大石、河村、明らかに得意そうな乾、堀尾、カチロー、カツオ。
あと、はもちろん、提案者の菊丸だ。
「部長もやりませんか?面白いですよ〜♪海堂もさァ〜♪」
希望してこなかった手塚と海堂にが声をかけた。
「くだらん…」
「ふん・・・」
んが、一言で片付けられた。
「ムゥ……」
はぷうと頬を膨らませ、立ち上がると、
まずは海堂のほうへ向かい腕を引っ張る。
「じゃあ海堂…!」
「なっ///煤v
突然の出来事に海堂は驚いて赤くなった。
でも動こうとはしない海堂に、は…
「やらないって言うなら…今後ず―っと『薫ちゃん』呼ばわりするよー!
廊下で遠くから呼んでやるんだから!!」
「なっ…」
「・・・・・・部長も、あの写真ばら撒かれたくなかったら・・・・やりましょうよ〜」
「・・・・・・ι」
は時として乾か不二のようになる(笑)
あの写真とは一体何なのか気になる所ではあるが、今は触れないでおこう。
とまァ、の言葉により、2人ともしぶしぶコチラに来てくれたのだった。
バスの後ろの方で、囲むような形で座席を作った。
の両隣は桃城とリョ―マだ。
「ところで…罰ゲームどうします?」
が聞くと皆悩み始めた。
「そうだにゃ〜…今日の買出し一人で行くとか?」
既にカードを取り出しきっている菊丸。
「夕飯一人で作るとか?」
ノリ気で無いような顔つきだが、意外と勝つ気満々なリョーマ。
「部長の顔に落書きとか♪?」
そう桃城が言った瞬間、手塚の視線がギロっと向けられた。
「ってのは冗談で…ι」
冷や汗ダラダラな桃城であった。
「ん〜…この合宿中、乾の特製ジュースしか飲めないってのはどーかな?」
楽しそうに提案してくる不二だが、一同三途の川でも見たような顔になった。
「・・・・あぁ、けっこう楽かなD」
一同の心が『お前だけだろー!』とハモったのは言うまでも無い。
恐るべし不二周介。
「……じゃ、じゃぁ、どうします?」
乾汁を想像して青くなりながらは仕切り直した。
「一人で夕食でいいんじゃないっスか?先輩これが一番苦手そうだし。」
すでにが負けるということを前提にリョーマが言った。
正直は料理が得意ではない。
下手くそというわけでもないが、がさつさと、不器用さが料理に反映するのだ。
「…ずいぶんマネージャー思いね…リョーマ…ι」
「まーね♪」
顔をゆがめただったが、リョーマのほうはまるでそれを楽しんでる様。
「じゃあ罰ゲームはそれで♪くばるよーん♪」
に文句を言う間も与えず菊丸は決定すると、さっさとカードを配り始めた。
「はぁ・・・・運よね〜がんばろ―――」
自信なさげな。
もう始まってしまったものは仕方がない…がんばれ!!
とりあえずカードを配り終えると、かさなったカードを捨てていった。
「よっしゃやるぜ――!…って不二先輩もう二枚!?」
「うん。今日はついてるね♪」
桃城は隣にいる不二の様子をさすがというように見た。
てか、ついてるのはいつもだろうとも内心思っただった。
そんなは…
「一組しか捨てらんないし…」
さっそく嫌な予感である。
とりあえず一周するところで…
「あ♪あがり♪」
さすがは不二。
乾にデータを採らせる前にあがっちゃいました。
「早すぎですよ〜!いいなぁ…運のある人って…」
まったく運を感じない。
桃城のカードを取って、そしてリョーマに引かせ…一向に変わらないカードの枚数。
そして、さらに運は悪くなってくなのである。
何週目だろう、スッと桃城の手から取ったものは…なんと…
・・・・・・・・・・・・ババ・・・・・・・・・・。
「ぷっ…」
「そこ!笑うなぁ!!(くっそ――!!)」
「悪ィ悪ィ…」
いまだ口元が緩んだままの桃城。
この時点でにババが回ったことは全員にバレたのであった。
そして、何週かすると皆次々にあがっていった。
残るは海堂、桃城、リョーマ、堀尾、。
「はい。あがり♪…あのさ…カード丸見えだよ。」
最後のカードを捨てながら言うリョ―マ。
「え゛!…あんた…知ってってず――っと黙ってたの!?」
どうやら桃城にカードを引かせるとき、バカ正直に後ろを向いていたため、
その時反対側に位置するリョーマにカードは丸見えだったわけだ。
因みにリョーマの隣にいた不二にも見えていたはず。
「て、ちょっと待って…リョーマに見えてたってことは、不二先輩も見えてましたよねぇι
あ゛――!見えてたら注意するくらいの良心は無いんですかぁ!!」
「勝負ゴトに口出しは良くないからねv」
ニッコリと微笑む不二。
「ひ〜ど〜い〜!」
が涙目で訴えるが、無常にもゲームは進む。
一向にには運が回ってこず、桃城、海堂はあがっていき、
最終戦…堀尾VS。
「ぅわ〜!俺ヤだよ〜!!」
「私もやだよ〜!!…今日の運勢絶対最悪!!」
延々と続くこと15分。勝敗は未だ決まらない。
「ねぇ…そろそろ終わりにrすれば?ι」
いい加減呆れ始めたリョーマが言った。
「別にやりたくてやってる訳じゃないのよ!!煤v
引いて見ればまたもババ。
「もう嫌ぁ〜」
続いて堀尾が引こうとすると、の後ろで桃城とリョーマと菊丸が
何やらジェスチャーを送っている。
「…ん?・・・・・!!これだァ!!」
堀尾は明らかに怪しげなジェスチャーを理解すると、すかさずカードを引いた。
「やったァ!!あがり〜!!」
二枚のカードを掲げて大喜びしている。
「うそ〜!!・・・・・ん?何やってるの…?」
自分の後ろで妙な動きをしている奴らの方をはじっと見る。
「〜〜♪」
3人揃って何ともワザとらしい鼻歌だ。
「ちょっと〜あやしい〜何してたのよ〜」
「別に…」
そっぽを向いた状態のリョーマ…あやし過ぎるだろう。
は明らかに不審だと思ったが、いちいちつっこむことはしなかった。
「そーぉ…?……あ゛――ι夕食作りかァ〜」
思い切りがっくりと肩を落す。
「安心しろ・・・桃城と菊丸と越前が手伝ってくれるようだ」
「え!?ほんとですかァ!!」
手塚の言葉に一瞬にして顔が輝いた。
「ちょっと待ってください!俺ら勝ったじゃないスか〜!」
不満の声を上げる桃城だが
「でも堀尾に手を貸したろ?」
「……ι」
不二の一言にビクッとする3人。
「・・・!?何!?やっぱり何かやってたんですか!?」
「の後ろで3人がカードの位置教えてたんだよ」
「あー!大石!!何で言っちゃうんだよー!」
「エージ先輩!言っちゃうんだじゃないですよー!もー!
…ま、4人で仲良く作りましょうねぇ〜♪」
珍しく優位に立ったように思われただったが、
「まァ不味いもの食べるよりマシかな。」
「だな(にゃ)♪」
相変わらず失礼なリョーマの発言に悪戯な笑顔で頷く2人。
「ひどーい!!」
「まぁまぁ♪皆で作った方が楽しいし…ね♪」
頬を膨らませ怒るの頭をポンポンと菊丸がなでなだめる。
「まぁ…そうですけど…」
単純な。とても簡単に丸め込まれたのだった。
が長いゲームで疲れたのか背筋を伸ばしていると、
最前に座っている先生の声がバス中に響いた。
「皆!後十分くらいで着くから降りる準備しときなー!」
「うぃ〜す」
返事とともにカードゲーム用に動かした席を直し始めた。
「結局…トランプ一回しか出来なかったね」
不二…爽やかに嫌味だろうか。
「じゃあ帰りにまたやろうよ♪トランプじゃなくてもいいしさ♪」
「そ、そうですね…」
自分の運の無さを思うと菊丸の言葉には引きつった顔になった。
こうして夕食当番をかけたトランプゲームは幕を閉じたのだった。