ドリーム小説




あれから約十分。


無事合宿所に着いた青学テニス部の皆さん。









『合宿へ行こう!!!』NO.3










「ホラ着いたぞ――!!」


大石の言葉で皆はバスから降り始めた。


もそれに続いて降りようとしていた…時!


「――っ!!」


バスの階段のところで足を踏みはずし、滑った。


しかも豪快にアクロバティックのごとく後ろに滑ったものだから、


落ちて階段の最後の段に後頭部打撃である。


「ったぁ〜〜ι」


コンクリートに尻を強く打ち階段に当った後頭部をさすりさすりしている。


先に降りての『豪快アクロバティック失敗版』を見ていた部員達はと言うと…


「だひゃひゃひゃ!!」


「……ι」


「フッ…」


大爆笑をかます菊丸・桃城。


あまりのバカさに頭を抱える手塚。


さり気なく笑ったのは…勿論不二だ。


「痛がってる人間に大笑いかますな――!!」


大変薄情な部員達には怒鳴る。


だが、本人も女の子らしからぬそのこコケっぷりには、恥ずかしさもあって顔を赤くしていた。


穴があったら入りたいとはこのことだろう。


「悪イ悪ィ…っ」


とりあえず謝罪の言葉を述べる桃城ではあるが、


顔の方は笑をこらえるので精一杯だ。


涙まで出てきていやがる。


、大丈夫??ホラ。」


そんな酷い奴らの中で助け起こしにてを差し伸べてくれたは河村だった。


「ありがとう御座います〜…いたた…すいません〜」


はゆっくり立ち上がり歩き出すと、後頭部を打ったせいだろうか、


フラフラとあぶなっかしい足取りで歩いている。


「いったん宿舎の方に行きたいんだが…」


…大丈夫か?」


あまりのふらつき歩きを心配そうに見つめる竜崎先生と手塚。


「ほら〜大丈夫ですよ〜」


そういって笑いながら歩くは全然大丈夫じゃない。


「おっと、あぶにゃい!」


前もろくに見ずにふらふら歩くが、


電信柱とこんにちわ、しそうになったところを菊丸が手を引き腕の中で支えてくれた。


「大丈夫?無理な時はちゃんと言ってよ?」


先程思いっきり大笑いはしたもの、やはり心配はしているよう。


「ス、スイマセン////…ありがとうございました…」


突然腕の中に引き込まれたは顔を真っ赤にしている。


「うんにゃ…ホイ!」


「えっ!?あの!なにを!?」


を離した思ったら、前にかがんでおんぶの体勢をとる菊丸。


の方は展開についていけず、慌てふためいている。


「歩くの辛いんでしょ?部屋まで連れてってあげるよ♪まぁお姫様抱っこはちと無理だけどさ。」


「あ、いや…そー言う事ではなく…///その…大丈…」


『ぶ』と言おうとしたところで頭の中がぐらっと揺らいだ。


たいしたことは無いのだろうが、下手に頑張ってしまえば迷惑をかけうることもあるので、


自分の身だしここは大人しく従おうとは判断した。


「う゛…し、失礼します…///」


恥ずかしいながらも背に失礼すると、菊丸が立ち上がると同時にふらついた。


「おっと!」


「ぬぉ!!あっ、あ、ぁ…やっぱり…重…」


密かに体重を気にしていた


「にゃはは♪ウソだよん♪全然ヨユーv」


菊丸はブイっとピースを作ってみせる。


「ほ、本当ですか!?…本当に…」


「大丈夫♪」


冗談を真に受け一人影を背負うところだったが、


今の言葉でちょっとホッとした。


「…世話かけちゃってスイマセン」


「いいって♪」


「そ♪はそんなこと気にしなくていいんだよ。」


恐縮しているに笑って見せる菊丸と頭を撫でてやる不二。


普段はからかって遊ぶくせに、突然気まぐれに優しくなる。


でもそれが単純に嬉しくて、頬を染めながらは笑った。






まぁそうこうしながら、菊丸の背におんぶされ宿舎へ到着♪


は、一人部屋に案内された。


10時半から練習が始まるとの事なので、


それまでは部屋で荷物の整理をすることにした。


「ふ〜…いきなりやっちゃうとはなぁ…」


ため息を吐きながら軽く自己嫌悪に陥る。


「そだ!!」


誰も見ていないことが幸いしているが、側から見たら独り言を言う変な人間だ。


その変な人間は何を思ったのか、マネージャー管理の救急箱を取り出してきた。


「冷え●タ〜♪…あった!」


中から冷えピ●を取り出すと、おでこに貼り付ける。


忘れていないか?…打ったのはこう頭部である。




コンコン



荷物整理を再開すると、部屋のドアを叩く音が聞こえた。


「ん?…あ、はい。ドーゾー。」


何を気にすることもなくは整理をしながら返事を返す。


ガチャリとドアが開く。


「……。」


「…あの…何か・・・・」


それ以降言葉が返ってこないのでドアの方を見ると、


荷物でごちゃごちゃになったの部屋を見て呆然と立ち尽くす手塚がいた。


「―――!?っ!!」


は大急ぎで散っている荷物を寄せると隠すような位置に思わず正座してしまった。


「な、何か…?」


冷や汗を流しながら必死に笑顔を取り繕う


「いや、さっき結構辛そうだったから様子を見に来たんだが…

 ダメそうだな…いろんな意味で…。」


「え゛…あ゛――ははは…ご心配おかけしまして…いろんな意味で…

 あ、でももう頭は大丈夫ですんで!ばっちり練習の時は仕事しますよ!」


そう言って、ガッツポ―ズを作ってみせる。


「なら…」


の方へと近づいてくる手塚。


「コレはなんだ?」


目の前にしゃがんでくると冷えピタの張られたおでこに触れた。


目と鼻の先とまではいかないが、顔の距離が近い。


「あ、あの!コレは///一応…ちょーっと…一応…///」


綺麗な顔がドアップで来たものだから、日本語は可笑しくなるし、


顔面温度が上昇してくる。


手塚はそのまま手を後頭部の方へとずらし確認をする。


「…まぁ、たいしたことはなさそうだが…タンコブ…出来てるな。」


「…あははは…でも!大丈夫ですよ!仕事は出来ます!」


「…誰も仕事をするなとは言っていない∪」


「あれ…そうなんですか?…とにかく!迷惑かけた分は働きますね!!」


「…(そう言うことを言いに来たのでもない…)」


手塚の心など知る由も無いは、


かみ合っていないことに気付かず気合を入れまくっている。


「まぁ、時間まで横になってるといい。」


「はい!ワザワザ有難う御座いました!」


正座のままペコッとお辞儀をする。


部屋から出て行こうとした手塚だったが、ドアの前で立ち止まり


コチラを振り向くと…


「…無理はするなよ…」


「はい…v」


表情の硬いおかげで笑顔は見れないが、心配している優しさは伝わってくる。


は嬉しそうな顔をしたままドアの閉まるのをじっと見ていた。




とりあえず荷物を片すと、手塚に言われたように横になった。















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