ドリーム小説






桃城が走り去ってから数分後…


向こうからあの三人組がやってきた。







『合宿へ行こう!!!』NO.6









「あれー?先輩どうしたんですかァ??」


「あ、堀尾!…ちょっとね。怪我しちゃって」


「怪我!?大丈夫なんですか??」


カチロウが心配そうにをみる。


「大丈夫。大した事ないから。それに、桃に手当てもしてもらったし。」


本当にちょっとした怪我なのに、こうも慣れない心配に、


苦笑いになってしまった。


「あ、グラウンド走るのはもういいんですか??」


「・・・・。」


実はすっかり忘れていた


カツオの一言に思わず顔が引きつった。


「嫌なこと思い出させてくれるねぇ…。あー…走ってたんだっけ…私。」


(おいおい忘れるなよ。)


口には出さなかったが、この物忘れの激しいに対し3人は内心思ったに違いない。


「あ!!怪我しちゃったって??」


河村が向こう側から走ってきた。


皆して大げさに心配してくれるので、


『ただのすり傷みたいなもんです。』


なんてとてもいえなくなってしまう。


「河村先輩♪あー大丈夫ですよ。大した事ないんで。」


「そっか、よかった。 あぁそうだ!それより手塚から伝言があるんだ。」


「伝言!?何です!?」


部長から伝言というだけで、何か自分はしたのだろうかと、


必死に過去を駆け巡らす


何もしていない筈なのにと一人焦りだしている。


「練習早めに切り上げて、夕食の準備始めろってさ。」


「あ゛――煤I」


またもやすっかりお忘れだった


「他の3人も呼んで、がんばってね。」


「はーい。」


ニッコリと微笑む河村に対し、はどんよりと笑顔になりきらない表情を返す。


「先輩!美味しい料理期待してますからね!!」


「…う、うん…。」


堀尾が最後に言ってはならないことを口にし、


1年生3人組と河村は去っていった。


はそれに苦笑いで手をふるのであった。

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あれから少したって、はそろそろ料理の準備に取り掛かることにした。


「食堂…っとその前に…いっしょにやる3人探してこなきゃ!」


この合宿のグラウンドは意外にも広く、コートも5つ離れた場所にある。


おかげで、自主練になっている今は、探すのが少々大変だったりするのだ。


しかし、見つけた人に聞けばいいもの。


まず最初に会ったのは第一コートで不二。


「不二先輩!!」


「?? ゆき…どうしたの?」


「これから夕食作りに行くんですけど、えーじ先輩見かけませんでしたか??」


の質問に少し考えると…


「…英二なら…さっきアッチにいたけど?」


「あ、有難うございます!!」


ニッコリ笑顔で水道の方面を指す不二に、


何の疑いもせず、素直に御礼を言うと、は走り去っていった。


忘れるな


奴はあの不二周助だぞ!?


走っていくを楽しそうに見つめる不二は、


「クス…今は、コッチなんだけどな♪」


「どうしたの?不二??」


ヒョコっと現れた菊丸。近くの柱が死角になってどうやらには見えなかったらしい。







「いない・・・・」


不二を信じたはというと…水道前で一人たたずんでいた。


「あれ?どうしたの??。」


「大石先輩!!あ、いや…えーじ先輩を探してるんですが…」


「…英二なら、不二とアッチにいたよ。」


が先ほど不二とあったところを指す。


「・・・・・・・・はめられた?」


正解。でも気付くの遅いです。


誰に問い掛けるわけでもなく語尾は疑問系になるに、


あらかた『不二にだろう』と予想ができた大石は苦笑いでを見た。


「あんの人はぁぁ!!!」


そう怒鳴り上げていると、クスクスと笑ってコチラに向かってくる不二の姿が見えた。


!英二コッチにいるみたい♪」


「いるみたいじゃないでしょう!!知ってってやったんじゃないですか!!!」


「ゴメンゴメン♪」


そんなの怒りすら不二は笑いながら楽しんでいる。


でもどうしてだろう、ここまでされてもこの人を憎めないのは…。


「んも〜…」


ブツブツ文句をいいながら菊丸のほうへと走っていく


不二は楽しそうに、大石は苦笑いしながら見つめていた。


先程のところに戻ってみると、ちゃんと菊丸がいた。


「エージ先輩…!」


「ほいほい♪?」



「これから夕食の準備しませんか??」


「…あ゛…そうだった。」


コチラもどうやらお忘れだったよう、聞いた瞬間顔が引きつった。


「そうなんですよ…。だから、私 他の3人探してきますんで、

 えーじ先輩先に食堂で、台所借りといてもらえないですか?」


「はいよ♪」


こうして菊丸は食堂の方へ、は再び料理人探しに行った。


少し行った所に海堂を発見。


「海堂〜!!ねぇ、桃とリョーマ見てない??」


息を切らしながらも走ってきて、問い掛ける。


「さぁ…」


あっけない会話(笑)。


「そっか……って!『さぁ』じゃなくて!せめて見たか見てないかくらいわかんないの!?」


そこまで言われると、海堂は不機嫌な顔をしつつも、少し考えて、


「桃城は…アッチ…か…?」


少し木が多くあって、木陰が気持ちよさそうな芝生のあるところの方面を指した。


「アッチ…ね。ありがと!」


礼を言うと、よし!と走り去っていっただった。


ところで、海堂の語尾が疑問系になっていたことに…は気付いていますか?


「お、海堂…何してんだ??」


「あ゛…」


が走り去ったあと、後ろから現れた桃城をみて、


心の中でに謝るのであった。


海堂に悪気はない。…と思う。





はというと…


「いないじゃないか〜!!!!」


卓袱台返しをするかの様な怒鳴り声をあげ、当然ながら 桃城を発見出来ずにいた。


「くうう〜!!なんだ〜!?アイツも不二先輩の手先か〜!?」


それは海堂に失礼だろう…いや、不二にか…?


がブツブツ文句を言っていると、後ろから肩を叩かれる。


「何してんスか…?」


ブツブツ言っているに不審そうに声をかけてくる。


「リョーマ!!!!」


散々振り回された所為だろうか、リョーマの登場に、妙にキラキラとうれしそうなである。


「ど、どうしたんスか…。」


リョ−マはそんなに少しビビる。


「いや〜、またやられたかとおもってさぁ〜…ってそれより!

 今から夕食作りしようと思うので、探してたのよ!!」


「あぁ…そうでしたね。」


「そうでたね…って…。あ!ねぇ!!桃は!?桃知らない!?」


「は?あそこにいるじゃないッスか。見てわかんないの?」


呆れたようにいうリョーマの視線の方を見ると、


さっき自分が来た方面から歩いてくる桃城がいた。


〜♪俺のこと探してるんだって??」


「桃〜!!!そうよ〜!アンタを探してたのよ〜!!」


桃城の肩を引っつかむと泣きながら力いっぱいゆすった。


「…何で…泣いてんの…。」


の熱烈な(?)歓迎にやっぱりビビル桃城。


は手を離すと少し遠い目をする。


「ひっかかり過ぎる自分のアホさと…魔王とその手先のに…ね。」


どうやら、海堂は不二の手先となったらしい。


「おい…どうしたんだよコイツ?」


「さぁ…?何かとり憑かれてんじゃないんスか?」



不審に思う2人は小声で聞こえないように話す。


すると、突然は声を上げる。


「あ!!!えーじ先輩待たせたまんまだ!!!」


「おいおい!先輩待たせちゃダメだろ!!」


急いで食堂まで走っていく3人なのであった…。














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